法務局で相続相談するメリットとデメリット（続き）

前回コラム「法務局で相続相談するメリットとデメリット」の続きになります。

 戸籍などの必要書類の収集・書類作成は自分で行わないといけない

相続登記をするためには被相続人の出生から死亡までの戸籍や住民票の除票（OR戸籍の附票）、法定相続人の現在戸籍、固定資産税評価証明書などの書類が必要となります。また、相続関係説明図、相続登記申請書などの書類を作成する必要があります。法務局ではこれらの代行まではさすがにしてくれませんので、自分で全ての書類収集・書類作成作業を行うことになりますが、必要な書類の収集や書類作成は大変な時間と労力のかかる作業となります。

 相続人の確認・遺産調査を自分でしないといけない

相続手続きでは相続人と遺産の確定が重要となります。相続人については集めた戸籍を読み解いて１人も漏れなく相続人を確認する必要がありますが、昔の戸籍は読みづらく慣れていないと読み解くだけでも大変な作業となります。
また、遺産の調査についても漏れがないようにしっかり確認することが大切です。不動産であれば名寄帳、登記簿、公図、権利書などを確認して漏れがないようにする必要がありますが、それらの作業は全て自分で行う必要があります。

 自分で何度も法務局に出向かないといけない

法務局で相談を受けながらなんとか自分で書類収集と書類作成をして法務局に相続登記の申請をしても1回で何事もなく完了するというのは非常に稀です。相続登記は不動産という高額な財産の手続きのため、法務局の手続きは非常に細かいところまでチェックがされ、不備がある場合は補正という訂正・修正の手続きが必要となります。それらの手続きは実際に法務局に出向く必要があることが多く、補正の度に法務局に出向く必要があります。最悪の場合は補正ができないということで取り下げを求められることもあります。取り下げの場合は申請した相続登記を取り下げる手続きをした上でもう一度一から申請手続きを行う必要があります。
また、法務局は平日の日中しかやっていませんので、お仕事をしている人にはこれらの作業はなかなか難しいというのが実際のところとなっています。

 メリットとデメリットを知ることが重要

法務局のメリットとデメリットを紹介しましたが、デメリットがあるといって法務局に相談しない方がいいということでは決してありません。昔と比べて法務局も大分親切になり事細かく教えてくれるようになっています。自分で登記手続きをしていて登記の書類のことで分からないところを確認するような場合はとても役立つ存在となるでしょう。何度でも無料というのはとてもありがたいことです。
ただ、相続手続きはご家族の大切な財産を受け継ぐ大事な手続きですので、後から後悔しないようにメリット・デメリットをしっかり確認してから活用することが重要です。後から後悔することのないよう法的リスク・税務面での問題点は必ず把握しておきましょう。

 間違いなく相続手続きをしたいなら司法書士！お気軽にご相談ください。

法務局は親切に手続きや必要書類の説明はしてくれますが、法律家ではありませんので全体的なことを把握した上ので法律上の説明まではできません。相続手続きでは全体像や個別事情を踏まえた上で法的・税務的なリスクを確認して手続きを選択することが重要です。後から思わぬトラブルになったり、時間と費用を無駄にしてしまわないように個別的な手続きの相談だけではなく司法書士などの相続の専門家に相談しましょう。
司法書士であれば法律家ですので全体的な相談と法務局では対応できない相続手続きのサポートを依頼することが可能です。大切な財産と時間を無駄にしないためにも相続手続きは法律家である司法書士にまずはご相談ください。

令和4年9月16日掲載

※この記事は掲載時点での法律を前提に作成されております。

相続でお困りのときは専門家に相談しましょう

相続のことでお困りのときは、まずは相続に強い司法書士、税理士等の専門家に相談しましょう。相続のことを熟知していますので、必ず役に立つアドバイスがもらえます。
当事務所はJR武蔵小杉駅前の司法書士・行政書士事務所です。相続でお困りごとがあれば相続専門の司法書士・行政書士による無料相談を受け付けておりますので、いつでもお気軽にお問い合わせください。

投稿日2022年9月16日

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相続手続きコラム

この記事を監修した司法書士・行政書士

司法書士法人グランツ代表司法書士 松田　卓也

保有資格

司法書士・行政書士・宅地建物取引士・民事信託士・管理業務主任者・初級シスアド

専門分野

相続・遺言・民事信託・相続放棄・不動産売買

趣味

旅行・料理・法律の書籍を読み漁ること

経歴

司法書士法人グランツの代表を勤める。大学生の頃に亡くなった父の相続で苦労した経験から相続の専門家を志し、平成 25 年に司法書士試験合格。相続専門の司法書士・行政書士事務所で実務を経験し平成 29 年に武蔵小杉で開業。「専門家の目を行き届かせて円満相続を実現し、家族の幸せに貢献する」をモットーに日々相続業務に取り組んでいる。相談件数2500 件（令和 4 年 7 月現在）以上の豊富な経験から相談者からの信頼も厚い。