戸籍の起源
戸籍はいつからできたと思いますか?
実は戸籍の起源は古くて大化の改新まで遡ることができると言われています。
もっとも、当時の戸籍は現在の戸籍とは異なり、課税や徴兵等を目的としていました。現在の戸籍は日本国民の身分関係を登録し証明することを目的としていますので、現在の戸籍とは大きく性格は異なっていましたが、歴史としては非常に長いということが分かります。
壬申戸籍(明治5年式戸籍)
現在のように日本国民の身分関係を登録し証明することを目的とした戸籍になったのは明治になってからです。この現代的な戸籍は「明治5年式戸籍」から始まっており、明治4年4月4日に戸籍法が制定され、翌明治5年2月1日に施行されています。この年の干支が壬申(みずのえさる)だったことから「壬申戸籍(じんしんこせき)」とも呼ばれています。
壬申戸籍には身分が記載されていた
壬申戸籍の特徴としては、皇族、華族、士族、平民身分などの身分が記載されていたことです。元穢多、元非人などの記載もあり、差別的なところも残っていました。
このような事情もあり、現在では壬申戸籍は開示されておらず、一般の人は開示請求しても応じてもらえず見ることができないものとなっています。
壬申戸籍の後も戸籍は5回改製されている
壬申戸籍(明治5年式戸籍)の後も戸籍の様式は何度も改製(様式・書式の変更)されており、現在まで計5回の改製がされています。以下が改製された戸籍です。改製ごとに様式や書式は変更されています。
・明治19年式戸籍
・明治31年式戸籍
・大正4年式戸籍
・昭和23年式戸籍
・平成6年式戸籍
旧法戸籍と現行戸籍
「明治19年式戸籍」「明治31年式戸籍」「大正4年式戸籍」は「旧法戸籍」とも言われています。戦前の旧民法に基づき作られているので、家の長である戸主を中心として作成されているのが特徴です。壬申戸籍とは異なり、これらの戸籍は保存期限が経過して廃棄されていない限り、市区町村に請求して開示してもらうことができます。
これに対して「昭和23年式戸籍」「平成6年式戸籍」は「現行戸籍」と言われています。戦後の新民法に基づき作成されており、一組の夫婦およびその夫婦と氏(苗字)を同じくする子ごとに編成されています。
旧法戸籍は読み解くのに一苦労?
旧法戸籍は戸主を中心に作成されていますので、叔父、叔母や甥、姪等まで記載されていたりで現行戸籍と比べて家族構成が多くなっています。また、字体、漢字が今と違う字体であったりするので読み解くのが難しい場合も多いです。手書きで書かれていて字がかすれていたり、達筆過ぎて読めないこともよくあります。
相続の手続きでは相続人を確定させる必要があるので、これらを読み解いて漏れなく相続人を確認するには慣れや経験が必要になります。
もし読み解くのが難しい場合は役所や相続の専門家に聞いて相談してみることをおすすめします。
令和3年10月15日掲載
※この記事は掲載時点での法律を前提に作成されております。
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