戸籍って何?
相続の手続きでは戸籍謄本が必要となります。今回のコラムでは戸籍について解説します。
戸籍とは
戸籍とは日本国民の親族的身分関係を登録してそれを証明するものです。「本籍」と「筆頭者」を基準に登録されていて戸籍を請求するときは「本籍」と「筆頭者」の情報が必要となります。「本籍」とは日本国内の地番がある場所で本籍として登録されたもののことで、「筆頭者」とは戸籍の一番最初に登録されている人のことです。
外国人には戸籍がない
戸籍に登録されるには日本国民であることが必要となります。そのため、外国人は戸籍に登録することができません。外国人が戸籍に登録するためには帰化(法務大臣の許可で日本国籍が与えられる制度)をする必要があります。一方、海外に居住している海外在留邦人は、国籍が日本である限り外国に居住していても戸籍に登録されています。
戸籍に登録されているもの
戸籍に登録されている身分関係の主なものは次のものとなります。
①出生や死亡に関する事項
②親子関係
③養親子関係
④夫婦関係(婚姻・離婚)
⑤親権者や後見人等関係
戸籍によって証明されるもの
戸籍は証明書にもなります。証明できる主なものとしては次のものがあります。
①日本国籍を有していること
②親子・夫婦・兄弟姉妹という関係
③相続・扶養・親権等の権利義務の関係
④成年・未成年が明らかになることによる法律行為能力・婚姻能力・縁組能力等の有無
戸籍を読めば相続人が誰かが分かる
戸籍は相続の権利義務の関係が証明されているため、戸籍を読めば法定相続人が誰であるかが分かります。そのため、多くの相続手続きでは相続関係が分かる戸籍の提出が求められるのです。
戸籍は夫婦とその子ごと編成(作成)される
現行の戸籍は一組の夫婦とその苗字を同じくする子供ごとに作成されます。例えば、鈴木夫婦と子は全員同じ戸籍で同じ苗字となりますが、子が婚姻した場合はその子には新しい独立の戸籍が作成されます。また、鈴木夫婦が養子を迎えた場合、原則として養子も同じ戸籍に入り同じ苗字となります。
昔は違った!
現行戸籍では夫婦とその子で1つの戸籍が作成されますが、旧戸籍法(明治31年~昭和22年)では、旧民法の「家」制度で家が戸籍作編成の基準となっていました。そのため、当時の戸籍は夫婦と子だけではなく、家の長である戸主を基準とされており、戸主夫婦と子、戸主の父母、戸主の兄弟姉妹とその配偶者および子、叔父夫婦とその子というようにたくさんの親族が戸籍に登録されていました。そのため、当時の戸籍は登録されている人が多く分量も多くなることが多いです。手書きで書かれていることも多く当時の戸籍を読み解くのは慣れていないと大変な作業になることも多いです。
相続手続きでは被相続人(亡くなられた方)の出生から死亡までの戸籍が必要となるため、旧戸籍法の戸籍が必要となることも多いです。旧戸籍法の戸籍を取ると分量が一気に多くなることがありますが、このような事情によるものです。
令和3年9月27日掲載
※この記事は掲載時点での法律を前提に作成されております。
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