遺言書はどうやって探せばいいの?②
今回のコラムでは自筆証書遺言の探し方について解説します。
自筆証書遺言とは
自筆証書遺言とは、遺言者が遺言書の全文、日付及び氏名を自書して、押印することによって作成する遺言書のことをいいます。特別な手続き等は必要なく遺言者だけで作成が可能なため、作成が簡便な遺言書の作成方法となります。
自筆証書遺言の探し方
自筆証書遺言は公正証書遺言や秘密証書遺言と異なり、公証役場での検索システムを利用することができません。つまり、公証役場で探すことはできないということになります。そのため、自宅の中など遺言書がありそうなところをあたって探していく必要があります。多い場所としては自宅の金庫やタンスの引き出し、銀行の貸金庫などがありますが、被相続人の親しい人物や顧問税理士がいる場合は顧問税理士に問い合わせてみる等の方法も有効です。
遺言書を見つけた場合はすぐに検認の手続きが必要
自筆証書遺言書を見つけた場合は遅滞なく被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で検認の手続きをする必要があります。検認の手続きを経ずに遺言を執行した場合は5万円以下の過料に処せられるので注意しましょう。また、遺言書が封印されている場合は相続人または代理人の立会いのもとで家庭裁判所で開封する必要がありますので、自分の判断で開封しないようにしましょう。違反してしまうと5万円以下の過料に処せられてしまう可能性があります。
法務局に遺言書を預けている場合
2020年7月10日から自筆証書遺言の法務局保管制度を利用することができるようになっています。この制度を利用して自筆証書遺言が法務局保管されている場合は法務局で遺言書を検索することができます。次の遺言書保管事実証明書の交付の請求をすることにより調べることができます。
遺言書保管事実証明書の交付の請求
請求先
全国どこの遺言書保管場所(法務局)でも手続可能
最寄りの遺言書保管所は下記で検索可能です(法務局のサイトに飛びます)。
https://www.moj.go.jp/MINJI/07.html
必要書類
①交付請求書
②遺言者が死亡したことが分かる戸籍(除籍)謄本
③請求者の住民票の写し
④顔写真付きの身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)
請求者に応じて必要になるもの
⑤遺言者の相続人であることが分かる戸籍謄本(請求者が相続人の場合)
⑥作成後3ヶ月以内の法人の代表者事項証明書(請求書が法人の場合必要)
⑦請求者が法定代理人の場合は親権者の戸籍謄本(作成後3カ月以内)、成年後見人の場合は登記事項証明書(作成後3カ月以内)が必要
手数料
証明書1通につき800円
確実に遺言書を残したいなら公正証書遺言か自筆証書遺言保管制度の利用
確実に遺言書を残して相続人が検索できるようにしてくには公正証書遺言を作成するか法務局保管する方法になります。自筆証書遺言は自分だけで簡単に作成できるというメリットがありますが、いざ相続発生した後に相続人が見つけられないリスクがあります。相続が起こった後に相続人が遺言書を検索できるように法務局の遺言書保管制度や公正証書遺言で遺言書を作成・保管することを強くおすすめします。
令和3年9月11日掲載
※この記事は掲載時点での法律を前提に作成されております。
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