相続手続きで必要?準確定申告って何?

 今回のコラムでは相続手続きで必要になる場合がある準確定申告について解説します。

 準確定申告とは

準確定申告とは、被相続人(亡くなられた方)の所得に対して行われる確定申告のことをいいます。通常であれば所得税はその年の11日から1231日までの1年間に生じた納税者の所得について所得税を計算し、その年の翌年の216日から315日までの間に申告と納税を行います。

もっとも、納税者が年の途中で亡くなった場合は、納税者の相続人がその年の11日から死亡した日までに確定した被相続人の所得について計算し、相続の開始を知った日から4カ月以内に申告と納税を行う必要があります。この制度を準確定申告といいます。

 どこで手続きをするの?

準確定申告の手続きは被相続人の死亡当時の納税地を管轄する税務署で手続きを行う必要があります。相続人の住所地の管轄税務署ではないので注意してください。

被相続人の最後の住所が武蔵小杉(川崎市中原区内)にあった場合は川崎北税務署が管轄となります。

川崎北税務署(川崎北税務署のサイトに飛びます)

https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/location/kanagawa/kawa_k/index.htm

 

準確定申告が必要な場合

準確定申告は全員が必要になるわけではありません。被相続人に次の所得がある場合に必要となります。

2カ所以上から給与の支給を受けていた場合
②事業所得、不動産所得、譲渡所得がある場合
③給与の収入金額が2,000万円を超えている場合
④給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円を超えている場合
⑤公的年金等の収入金額が400万円を超えている場合
⑥満期保険金の受取りがあった場合

 相続人が複数いる場合

準確定申告が必要な場合で相続人が複数いるときは準確定申告書は各相続人が連署による1つの書面で提出する必要があります。

もっとも、共同相続人間の事情により、共同して申告書を提出することができないときは、相続人が個別に提出することも可能となっています。この場合は、遅滞なく、他の相続人に対して、当該申告書に記載した事項の要領を通知しなければなりません。

 

令和3年9月1日掲載

※この記事は掲載時点での法律を前提に作成されております。

 

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