相続のプロが教える!遺産相続を円滑に進めるための家族会議の方法

遺産相続に関する問題は、家族間のトラブルを引き起こしやすい課題の一つです。遺産相続を円滑に進めるためには、生前から家族会議を開き、家族全員で情報を共有し、互いの意向を確認しておくことが非常に重要です。ここでは、家族会議の進め方と注意点、また遺産相続でのトラブルを防ぐための具体的な方法について解説します。

1. 家族会議の重要性

家族会議は、遺産相続に関するトラブルを未然に防ぐための重要な手段です。家族全員が集まり、親の意向や財産状況、相続の配分方法などを話し合うことで、後々の争いを防ぐことができます。特に、親が元気なうちに家族会議を開くことが大切です。

1.1 家族会議の意義

家族会議を開くことで、以下のような効果が期待できます。

  • 親の意向を正確に伝える: 親が自身の言葉で希望を伝えることで、遺言書では伝わりにくい細かなニュアンスや想いを家族に伝えることができます。
  • 遺産相続でのトラブルの予防: 事前に話し合うことで、遺産相続が発生した際に生じる可能性のあるトラブルを防ぐことができます。
  • 家族の役割分担の明確化: 親の介護や財産の管理について、誰がどのような役割を担うのかを事前に決めておくことができます。

2. 家族会議の進め方

2.1 参加メンバーの選定

家族会議には、基本的に法定相続人が参加します。法定相続人とは、被相続人(親)の配偶者や子供、場合によっては両親、兄弟姉妹等です。法定相続人の配偶者も含める場合がありますが、トラブルを避けるために、基本は法定相続人のみで行うことが望ましいです。

2.2 開催場所の選定

家族会議の開催場所は、実家など親の家が最適です。親の家であれば、財産に関する資料が手元にあり、話し合いがスムーズに進むからです。また、中立的な場所として飲食店などの個室を利用することも一つの方法です。

2.3 議題の設定

家族会議の議題は事前に決めておくことが重要です。具体的な議題としては、以下のようなものが考えられます。

  • 親の現在の財産状況と遺産相続が発生したときの財産配分
  • 生前から行える相続税対策
  • 介護が必要になった場合の親の希望や家族の役割分担
  • お墓などの祭祀財産の承継や葬儀の方法

3. 家族会議の進行と注意点

3.1 話し合いの進行

家族会議の進行は、親が主導する形が理想的です。親が自らの希望や想いを伝え、その後に子供たちが意見を述べる形が望ましいです。また、議事録やメモを作成し、話し合った内容を家族全員で共有することが重要です。

3.2 専門家の同席

家族会議には、司法書士や税理士などの専門家の同席を検討することも重要です。専門家が同席することで、法律や税務に関する正確な情報を提供でき、話し合いを円滑に進めることができます。

4. 遺産相続でのトラブルを防ぐための具体的な方法

4.1 遺言書の作成

遺言書は、親の意向を明確に示すための重要な書類です。遺言書を作成することで、相続が発生した際のトラブルを防ぐことができます。家族会議で将来の相続内容が決まったとしても、実際相続が起こったときにはどうなるかわかりません。決まった内容を確実にするためには遺言書を作成しておくことが必要となります。遺言書には、自分で手書きで作成する自筆証書遺言と公正証書遺言がありますが、自筆証書遺言は様式や内容の不備で無効となるリスクがあるので要注意です。公正証書遺言の方が確実です。

4.2 相続税対策

相続税がかかる場合には、生前からの対策が必要です。相続税の基礎控除額は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。この金額を超える場合には相続税がかかるため、生命保険の活用や生前贈与などの対策を講じる必要があります。

4.3 介護に関する希望の確認

親が介護を必要とする場合に備えて、親の希望を確認しておくことが重要です。自宅での介護を希望するのか、施設への入所を希望するのかを確認し、必要な費用や役割分担を事前に話し合っておきましょう。

5. 家族会議を開く前に準備しておくこと

5.1 推定相続人の確認

家族会議を開く前に、推定相続人を確認しておくことが重要です。推定相続人とは、相続が発生した場合に相続権を持つ人のことです。正確に確認するためには、戸籍で確認することが必要です。

5.2 財産の把握

親の財産状況を把握しておくことも重要です。現金や預貯金、有価証券、不動産などの財産をリストアップし、相続が発生した場合の配分について話し合うための資料として準備しておきましょう。

5.3 希望や不安の整理

親の希望や不安を事前に整理しておくことも大切です。介護や相続に関する希望を具体的にまとめ、家族会議で共有することで、話し合いをスムーズに進めることができます。

6. 専門家への相談

家族会議で話し合った内容を実現するためには、専門家の助言が不可欠です。司法書士や税理士、弁護士などの専門家に相談し、法的な手続きを確実に行うことで、親の希望を実現し、相続トラブルを未然に防ぐことができます。
遺産相続を円滑に進めるためには、生前からの家族会議が非常に重要です。家族全員が集まり、親の希望や財産状況を確認し、専門家の助言を受けながら話し合いを進めることで、相続トラブルを防ぎ、円満な相続を実現しましょう。当事務所では、相続に関するご相談を随時受け付けておりますので、ぜひご利用ください。

令和6年7月30日掲載

この記事は掲載時点での法律を前提に作成されております。

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