相続放棄をする場合でもお世話になった施設や病院代を支払うことはできるか
相続放棄をすると相続債務は引き継がない
相続が開始したことを知った時及び自分が相続人になったことを知った時から3か月以内であれば、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄の申述をすることによって、借金等の相続債務を引き継がなくても済むことができます。よって、相続放棄をしたのであれば相続債務は支払う必要はありません。
被相続人がお世話になった施設や病院代を支払うことはできるか
上述のとおり、相続放棄をすると相続債務は支払う必要がなくなりますが、中には被相続人の生前にお世話になった施設や病院への支払いはしたいという方もいらっしゃいます。このように相続放棄をする場合でもお世話になった施設や病院への費用は支払うことができるのでしょうか。実は、お世話になった施設や病院への支払いであっても被相続人の現金や預金から支払ってしまうと、相続放棄が認められなくなる可能性が出てきます。民法第921条第1項で「相続人が相続財産の全部、または一部を処分したとき」についてはは「単純承認をしたものとみなす」と規定されており、相続債務の支払いは相続財産の処分と考えられるためです。一般的な範囲での葬祭費用の支払いは被相続人の財産から支払いが認められていますが、それ以外の支払いは相続財産の処分として相続放棄が認められなくなる可能性が出てきます。そのため、たとえお世話になったからといっても支払いはしてはいけません。
どうしても支払たいという場合は
上述のとおり相続放棄をする場合、相続した債務を支払ってしまうと、財産を処分したとみなされて相続放棄ができなくなる恐れがあります。もしどうしてもやむを得ない事情で支払わなければいけない場合は、相続財産から支払うのではなく必ず相続人ご自身の財産から支払うようにしましょう。相続財産の処分とみなされてしまいますので、相続財産から支払ってはいけません。
相続放棄でお困りのときは専門家に相談しましょう
相続放棄のことでお困りの場合は、まずは相続放棄に強い弁護士、司法書士等の専門家に相談しましょう。相続放棄のことを熟知していますので、必ず役に立つアドバイスがもらえます。
当事務所はJR.武蔵小杉駅徒歩2分の司法書士事務所です。相続放棄でお困りであれば無料相談を受け付けておりますので、お気軽にご連絡くださいませ。