相続税とは
相続税とは、被相続人の相続財産を相続した場合や、遺言によって相続財産を受け継いだ場合に、その相続財産の金額が一定以上ある場合に納める税金です。相続税は、遺産が以下の計算式で算出した相続税の基礎控除額を超える場合に原則として課税されます。
3000万円 + 600 万円 × 法定相続人の数 = 相続税の基礎控除額
※平成26年12月31日以前に相続が開始(被相続人が死亡)した場合の基礎控除額は上記と異なります。
相続放棄した人は原則として相続税を支払う必要はない
相続放棄をすると初めから相続人でなかったとみなされてプラスの財産もマイナスの財産も全て相続しなくなります。相続税は相続した財産が一定の金額以上の場合に課税されるものなので、相続財産を一切相続しない相続放棄をした人は相続税を支払うことは通常はありません。被相続人の相続財産に相続税が課税される場合で相続放棄をした場合には相続放棄をした人に相続税の支払義務はなく、他の相続人が相続税を支払うことになります。
例外的に相続税を支払わなければならないことがある
上述したとおり、相続放棄をした者は原則として相続税を支払う必要はありません。
しかし、例外的に相続放棄をした人でも相続税を支払わなければいけないケースが存在します。それはどういったケースの場合かというと相続放棄をした人が生命保険金を受け取る場合です。生命保険金を受け取った場合は相続税を支払わなければならない場合がありますので注意が必要です。
相続税での相続財産は民法とは違う
どうして相続放棄をしても生命保険金を受け取ると相続税がかかる場合があるのでしょうか。それは民法でいう相続財産と相続税での相続財産の範囲が少し異なるからです。
生命保険金は受取人の固有の権利ですので、民法上は相続財産には含まれません。そのため相続放棄をしても生命保険金を受け取ることができます。しかし、この生命保険金は相続税の観点からはみなし相続財産として相続税の課税の対象となります。そして、基礎控除額を超える場合は相続税を支払わなければなりません。例えば法定相続人が妻と子の2人のみで全員が相続放棄した場合、死亡保険金が基礎控除額(3000万円+600万円×2)の4200万円を越える場合には相続税を支払わなければなりません。
生命保険金を受け取る場合は相続税に注意
上述した通り、生命保険金を受け取った場合はみなし相続財産として相続税が課税されます。相続放棄をした場合でも生命保険金を受け取る場合は相続税が課税されることがあるので注意が必要です。相続税の課税対象となるのは被保険者と保険料の負担者が同一人の場合です。つまり、被相続人が被保険者として保険料を支払い、相続人が生命保険金を受け取るような場合はみなし相続財産として相続税を支払う必要が出てきます。それ以外の場合は所得税や贈与税の対象となります。
死亡保険金の相続税についての詳細は国税庁のHP【国税庁のHPはこちら】をご覧ください。